性売買のなかにいる女性が「処罰の対象」であり続ける限り、被害はなくなりません

≪タイ人の12歳の少女が一か月で60人以上を相手に「売春」させられた事件をきっかけに「買春処罰法」導入を求める声が高まっていることから2025年11月21日に開催された緊急院内集会に参加し、以下のメッセージを訴えました。≫

私の周囲の男性のあいだでは、買春は「飲み会の延長」や「男同士の付き合い」の一部と
して当然のように語られていました。

風俗はテレビやラジオでもカジュアルな笑いのネタとして扱われ、買う側に罪悪感やため
らいはほとんどなく、それをおかしいと言うと、「空気が読めない」「面倒な女」とされ、
自分のほうが浮いてしまうような空気がありました。


そうした環境で育ち、自分自身が生活に困ったとき、「自分でなんとかしなくちゃ」「こう
するしかない」という考えしか思い浮かばず、性売買の中に吸い込まれていきました。
買春の話は軽い冗談や武勇伝のように扱われる一方で、私は後ろめたさを抱えていまし
た。


自然と人間関係は、同じ店の女性やスカウトや業者、客といった性売買の中だけになって
いき、社会と切断されていました。
そうして出来上がった大きな空白期間と、トラウマを抱えた状態で、外の社会と繋がり直
すのは困難でした。
性売買から離れるまで、そして離れてから生活を取り戻すまで、長い時間がかかりまし
た。


タイの少女の事件の報道に触れ、少女が捕まることを覚悟しながら助けを求めなければな
らなかったということに、過去の自分を重ねました。
買う側を罰するというだけで、この問題に蓋をしないでください。性売買のなかにいる女
性が「助けられるべき被害者」ではなく「処罰の対象」であり続ける限り、被害はなくな
りません。(ナツメ、30代)